TRANS-EUROPE EXPRESS(ヨーロッパ特急) | クラフトワーク

ニャン田(にゃんだ)ヒロシの迷言集

TRANS-EUROPE EXPRESS(ヨーロッパ特急)ジャケット今回ご紹介する名盤は1977年にリリースされたクラフトワークの「TRANS-EUROPE EXPRESS(ヨーロッパ特急)」をです。

クラフトワークといえばドイツを代表する電子音楽のユニットであり、多くのミュージシャンに影響を与えたアーティストであります。デビュー当時はジャーマン・プログレッシブ・ロックに位置するユニットであったのですが、初期の活動で得られた資金でミニモーグを購入、ヴォルフガング・フリューア自作の電子パーカッションやヴォコーダーを用いたヴォーカルを駆使したアルバム「AUTOBAHN」がアメリカやイギリスで大ヒットし、電子音楽を初めて大衆に浸透させたのであります。しかも昨今ではヒップ・ホップの世界においてサンプリングの音源としても非常に重要な存在になっているのです。

筆者の中ではクラフトワークといえばこの「TRANS-EUROPE EXPRESS(ヨーロッパ特急)」が真っ先に頭の中に浮かぶのです。「AUTOBAHN」も歴史的価値が高い名作なのですが、筆者は自動車よりも電車の方を幼い頃から好んでいること(完全にこじつけ)、そしてこのアルバムのジャケット・ワークに大変印象深いものを感じるのです。非常に紳士的な大人の男性4人がなんとも無機質な表情で、それぞれまったく別の方向を向いているこのジャケット・ワークになにか強烈なインパクトを感じるのであります。デジタル・リマスター盤では変わってしまったんですかね。

鉄道がモチーフということでミニマル・サウンド色が強い本作でありますが、電車派の筆者としてはそこが最高に心地のよいところであります。特にアナログ盤でいうところのB面にいたっては曲間が繋がっている「TRANS-EUROPE EXPRESS(ヨーロッパ特急)」と「METAL ON METAL」(リミックス盤はドイツ盤と同じように「METAL ON METAL」と「ABZUG」が区切られているようです)、「FRANZ SCHUBERT」と「ENDLESS ENDLESS」ではほぼ同じループのまま次の曲へと移行していて、それはまるで特急に乗っている時に気がついたらもうあの駅は通過して、すでにこんなところを走っているではないですか的な感覚なのであります。

内容的にはオープニングの「EUROPE ENDLESS」からして心躍るナンバーに仕上がっています。特急が発車をしこれから旅が始まるんだというわくわく感が表現されているように感じます。3曲目の「SHOWROOM DUMMIES」も必聴もののナンバーです。非常に洗練されたサウンドにドイツ訛りのなんとも無機質なヴォーカルが、ある意味電子音楽の感性を見た(聴いた)感があります。アナログ盤B面に相当する4曲目から7曲目までは一気に聴き倒してしまいましょう。いかにも鉄道をコンセプトとした視覚的サウンドが持ち味の「TRANS-EUROPE EXPRESS(ヨーロッパ特急)」と「METAL ON METAL」のシークエンス、そして空間的な広がりと美しさを兼ね備えた「FRANZ SCHUBERT」から「ENDLESS ENDLESS」のシークエンスも聴き逃せません。

これらのサウンドが1977年のものとは思えないのですが、当時まだ日本にはヴォコーダーなるものが認知されていなかったのでしょうか。1977年当時のライナー・ノートを読むと「TRANS-EUROPE EXPRESS(ヨーロッパ特急)」のヴォコーダー部分について「おそらくシンセサイザーによる擬似ヴォイスに…云々」と解説されておりました。それだけ当時は斬新なサウンドだったということでしょう。

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IN THE COURT OF THE CRIMSON KING(クリムゾン・キングの宮殿) | キング・クリムゾン

ニャン田(にゃんだ)ヒロシの迷言集

IN THE COURT OF THE CRIMSON KING(クリムゾン・キングの宮殿)」ジャケット今回ご紹介する名盤は1969年にリリースされたキング・クリムゾンの「IN THE COURT OF THE CRIMSON KING(クリムゾン・キングの宮殿)」です。

このアルバムは、キング・クリムゾンのデビュー作でありプログレッシヴ・ロックというジャンルを確立した作品であることで有名です。アビイ・ロードをチャート1位から引きずりおろした作品ともいわれていますが、このアルバムは全英オフィシャルチャートでは5位が最高ということですので、あまり信憑性のある話ではありません。また、キング・クリムゾンというバンド名はこのアルバムのタイトルからつけられたそうです。バンド名が決まっていないのにアルバム作りを始めて、そのタイトルからバンド名が決定されるという流れはかなり珍しいように感じられます。

このアルバムを聴く前の印象は、そのジャケット・デザイン、またキング・クリムゾンというバンドのイメージ(リアル・タイマーではないので私がこのアルバムを知ったときにはすでにキング・クリムゾンというバンドは存在しておりました)からかなり難解なものであることを予想していたのですが、1曲目の「21ST CENTURY SCHIZOID MAN including MIRRORS(クリムゾン・キングの宮殿)」ではハード・ロック的要素の強いかなりストレートなロックであり、いい意味で私の予想を裏切ってくれました。2曲目の「I TALK TO THE WIND(風に語りて)」以降はさらに私の予想は裏切られ、幻想的かつ美しい楽曲の連続となります。3曲目の「EPITAPH including MARCH FOR NO REASON and TOMORROW AND TOMORROW(エピタフ(墓碑銘))」は特にシングル・カットされているわけではありませんが、そのメロディーは美しくファンからとても人気のある作品となっていまして、日本におきましてもザ・ピーナッツやフォーリーブス、西城秀樹が70年代にカヴァーをしたらしいです。

それにしてもデビュー作にしてこのクオリティに驚きです。しかもこのサウンドが60年代に実現していたこと自体ある意味奇跡です。フルート、メロトロンなどの楽器が効果的に使われ、アルバム全体に幻想的な浮揚感を醸し出しています(1曲目の「21ST CENTURY SCHIZOID MAN including MIRRORS(クリムゾン・キングの宮殿)」は幻想的な浮揚感というより躍動的な疾走感が感じられる楽曲ですが…)。また、ジャズやクラシックなどの要素も取り入れられとても美しく仕上げられた名盤中の名盤です。このアルバムをまだ聴いたことのないロック・ファンの方は一度この作品を耳にされても損はないと思います。

このアルバム、ひとつ腑に落ちない点があるのですが、2曲目の「I TALK TO THE WIND(風に語りて)」以外、曲のタイトルに「including」としてさも別の楽曲が含まれているかのようなタイトルがそれぞれの楽曲につけられています。しかし実際に曲を聴いてみると他の楽曲がインクルードされているようには思えません。特に組曲風に感じる楽曲もありません。この点について解説がされているものも見かけないので謎なのですが、アルバム1枚あたりに5曲しか収録されていないのがレコード会社との契約に触れるので、それを回避するための苦肉の策だったとかそういうことなんでしょうか。

どちらにしてもこのアルバムは収録されている5曲で十分なのですが、この点についてご存知の方がいらっしゃればお教えいただきたいと思っております。

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