SWEETHEART OF THE RODEO(ロデオの恋人) | ザ・バーズ

ニャン田(にゃんだ)ヒロシの迷言集

SWEETHEART OF THE RODEO(ロデオの恋人)ジャケット今回ご紹介する名盤は1968年にリリースされたザ・バーズの「SWEETHEART OF THE RODEO(ロデオの恋人)」です。

カントリーとロックを融合させたといわれる本作「SWEETHEART OF THE RODEO(ロデオの恋人)」は、それまではサイケデリックな作風を得意としていたザ・バーズの作品群の中にあっては、かなり異色な作品であります。ザ・バーズの歴史の中にあって唯一このアルバムだけに参加したグラム・パーソンズの影響がかなり強かったのだと思われます。世界初のサイケデリック・ロックといわれる1966年リリースの「EIGHT MILES HIGH」は、当ブログでも紹介しているザ・ビートルズの「REVOLVER」にも影響を与えていたなどという話はこのアルバムからは想像もつきません。

今ではいわずと知れたカントリー・ロックの扉を開いた大名盤としてこのアルバムは君臨しているのですが、当時の一部のファンからは「庇を貸して母屋を乗っ取られた情けないアルバム」との認識もあったようです。得てしてアーティストの作風に変化が見られたときには、それを快く思わないファンもいるようでボブ・ディランがフォーク・ロック路線に舵を取ったときにもそういう風潮はあったようです。カントリー・ロックの幕開けと評される本作でありますが、かなり本格的なカントリー・ミュージックの印象が強くその傾向はより顕著であったかもしれません。

1曲目の「YOU AIN'T GOING NOWHERE(ゴーイング・ノーホエア)」はボブ・ディランのカヴァー曲であり、このアルバムの楽曲の中にあってはロック色の強い仕上がりです。2曲目の「I AM A PILGRIM(私は巡礼者)」はバンジョーとヴァイオリンの印象が強いカントリー・ミュージック色が強くなっています。3曲目の「THE CHRISTIAN LIFE」は3拍子のカントリー・ミュージックでルーヴィン・ブラザーズのヒット曲のカヴァーです。4曲目の「YOU DON'T MISS YOUR WATER(涙の涸れるまで)」はこちらも3拍子のカントリー・ミュージックが基調なのですが、ピアノがブルース色を醸し出しています。5曲目の「YOU'RE STILL ON MY MIND(思い焦がれて)」も4曲目と同様の手法でカントリー・ロック的に仕上げられたナンバーです。6曲目の「PRETTY BOY FLOYD」はかなりカントリー色の強い楽曲仕上げられています。

LPではB面1曲目に当たる7曲目の「HICKORY WIND」は3拍子のカントリー・ミュージックでかなりグラム・パーソンズ色の強い作品です。8曲目「One Hundred Years From Now(100年後の世界)」はグラム・パーソンズの曲なのですが見事にロックとカントリーを融合させたナンバーに仕上がっております。9曲目「BLUE CANADIAN ROCKIES」は3拍子のナンバーですが、他の3拍子のナンバーに比較してカントリー色は薄いように感じられます。10曲目「LIFE IN PRISON(監獄暮らし)」は日本ではあまり馴染みがないかもしれませんがマール・ハガートのカヴァー曲です。11曲目の「NOTHING WAS DELIVERED(何も送ってこない)」は1曲目同様ボブ・ディランのカヴァー曲でこちらもロック色の強いナンバーに仕上げられています。

若かりし頃であれば聴かなかったジャンルであるかもしれませんが、某テーマパークの熊がカントリーを演奏するアトラクションで耳が慣らされたのか、現在では心地よく耳に響く愛聴盤の1枚になっています。

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PARANOID(パラノイド) | ブラック・サバス

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PARANOIDジャケット今回ご紹介する名盤は1970年にリリースされたブラック・サバスの「PARANOID」です。

ブラック・サバスというバンドは日本ではレッド・ツェッペリンやディープ・パープルほどの知名度はないのですが、アメリカやイギリスでは日本人が絶するほどの人気を持つバンドなのであります。また後続に与えた影響は大きくヘヴィ・メタルの発祥とも言われております。ヘヴィ・メタルというカテゴリーは筆者があまり得意とする分野ではないのですが、このアルバムを聴く限りヘヴィ・メタルというというよりはハード・ロックとしてその魅力を十分に堪能できる作品として仕上がっています。

40年間に渡って活躍してきたブラック・サバスなのでありますが、その初期の名盤といわれるのが本作「PARANOID」なのであります。本作リリースの前年には当ブログでも紹介しているレッド・ツェッペリンの名盤「LED ZEPPELIN II」が、また、ディープ・パープルにおいては最も人気のあった第2期の幕開けを告げる「DEEP PURPLE IN ROCK」が1970年にはリリースされ、彼らの方向性がよリハード・ロックへと傾倒していった時代でもあります。そんな時代背景の中において、本作「PARANOID」はブラック・サバスのアルバムでは唯一のイギリス・チャートNo.1に輝き、本国におけるその地位を確固たるものとするとともに、1971年にはアメリカにおいても本作はリリースされることとなります。

1曲目の「WAR PIGS」は8分近くある大作で、劇的な変化を伴う構成ではないのですが、その長さを感じさせない楽曲に仕上げられております。本来はこの楽曲のタイトルをアルバムにタイトルにと考えていたようですが、ベトナム戦争への配慮から却下されたようです。2曲目で表題曲の「PARANOID」はブラック・サバスの代表曲でもあり、ブラック・サバスを知らなくても耳にしたことがあるかもしれないくらい有名な楽曲です。3曲目の「PLANET CARAVAN」はスローなナンバーで、ドラムスは入っていないようです。4曲目の「IRON MAN」もブラック・サバスを代表する楽曲であり、プロレスのタッグチーム、ザ・ロード・ウォリアーズの入場曲としても有名です。

LPでいうところのB面1曲目にあたる5曲目の「ELECTRIC FUNERAL」はブラック・サバス節炸裂といった感のあるらしい楽曲です。A面でリスナーの心を鷲掴みにし、B面でブラック・サバスの世界に引きずり込むといったところでしょうか。変化に富んだ楽曲で2分ごろからテンポや曲調に変化をもたせ、3分を過ぎたあたりでまたもとの曲調に戻ってきます。6曲目「HAND OF DOOM」は7分越えの長い楽曲で、エースのリフをバックに静かに立ち上がります。この楽曲も曲調に変化が見られ、2分を越えたあたりから曲調に変化が見られリズムもシャッフルへと変化し、5分あたりで序盤の曲調へと戻ります。7曲目「RAT SALAD」は2分半のインストゥルメンタルの比較的ストレートなハード・ロック・ナンバーで、ドラム・ソロが印象的です。ラストを飾る8曲目「FAIRIES WEAR BOOTS」は8ビートで幕を開けますが、歌が入ると同時にリズムがシャッフルへと変化します。

このアルバム、この時代の作品にしては珍しく邦題の付いた楽曲が1曲もありませんね。ブラック・サバスあたりだと「地獄の~」とか「悪魔の~」とか付いてもよさそうなものなのですが、個人的には訳のわからない邦題は不要だと思っておりますので、これはこれでよかったと思っております。

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LEGEND(レジェンド) | ボブ・マーリィ・アンド・ザ・ウェイラーズ

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LEGENDジャケット今回ご紹介する名盤は1984年にリリースされたボブ・マーリィ・アンド・ザ・ウェイラーズの「LEGEND」です。

本作「LEGEND」は36歳という年齢という若さでこの世を去ったボブ・マーリィの死後に発売されたベスト・アルバムであります。少々反則気味ではありますが、「ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイムベストアルバム500」(かなり偏ったランキングではありますが…)でも46位にランキングされているロック史的に見ても非常に重要なアルバムであり、レゲエが好きな方はもちろんのこと、そうでなくてもボブ・マーリィに少しでも興味がある人にとっては必聴盤の1枚なのであります。また、ボブ・マーリィを初めて聴く人には入門的な作品でもあります。

しかもボブ・マーリィ本人の死後3年が経過して発売されたアルバムなのですが、これが爆発的にヒットし2500万枚を世界中で売り上げているのであります。収録曲も全14曲で収録時間は62分ほどなので、当時のアナログ盤にしてはずいぶん詰め込んだなといった感があります。もう本当にぎりぎりといったところでしょう。レゲエというと得てして単調な曲調の楽曲がずらりと並んでリスナーを飽きさせてしまうものも少なくないのですが、そこはレゲエの神様、62分と長めのアルバムでありながらメリハリがあり、さらにロック的な角度からでも十分に楽しめるのがさすがといったところであります。

まずはアナログ盤A面にあたる1曲目から7曲目までから筆者のお気に入りをチョイスして解説いたします。2曲目の「NO WOMAN,NO CRY」はオリジナルは「NATTY DREAD(ナッティ・ドレッド)」というアルバムに収録されているのですが、本作では「LIVE!(ライヴ!)」に収録されているライヴ・ヴァージョンが採用されています。オルガンのサウンドが耳に心地よいボブ・マーリィの代表作といってもいいでしょう。3曲目の「COULD YOU BE LOVED」は非常に小気味のよいレゲエ・サウンドが楽しめる1曲であります。実質的な遺作となった「UPRISING(アップライジング)」からのセレクトです。5曲目の「BUFFALO SOLDIER」はこれぞレゲエというナンバーで、レゲエの王道を行く楽曲となっています。

アナログ盤B面に当たる8曲目から14曲目の中からはなんといっても9曲目の「I SHOT THE SHERIFF」であります。エリック・クラプトンがカヴァーしていることはあまりにも有名で、それによりボブ・マーリィおよびレゲエというジャンルが一躍注目されることとなりました。1つ戻りますが8曲目の「ONE LOVE/PEOPLE GET READY」レゲエのスタンダード・ナンバーと呼べる名曲です。13曲目の「EXODUS」は同名アルバムの表題曲であり、グラディエイターズなどがカヴァーしている、7分40秒という本作で1番長い楽曲になります。14曲目の「JAMMING」も「EXODUS(エクソダス)」からのセレクトであまりにも8曲目の「ONE LOVE/PEOPLE GET READY」と同様あまりにも有名な名曲です。

ボブ・マーリィといえば言わずと知れたジャマイカの英雄なのでありますが、ジャマイカではなぜか小島よしおの「そんなの関係ねぇ」が人気らしいですよね。YOU TUBEで飛び火したのでしょうか。まぁそんなことこそ当ブログには関係ないのですが、本作はボブ・マーリィのファンではなくとも一家に一枚的な、「LEGEND」と呼ぶに相応しい持っていて損のないアルバムでしょう。

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BORN TO RUN(明日なき暴走) | ブルース・スプリングスティーン

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BORN TO RUN(明日なき暴走)ジャケット今回ご紹介する名盤は1975年にリリースされたブルース・スプリングスティーンの「BORN TO RUN(明日なき暴走)」です。

1973年に「GREETINGS FROM ASBURY PARK, N.J.」デビューしたブルース・スプリングスティーンは、当初「第二のディラン」というキャッチフレーズで、ロックン・ローラーというよりかはシンガー・ソング・ライターであることを前面に押し出されたプロモートをされたのですが、本人はロックン・ローラーにこだわったためか商業的にはいまひとつでした。1973年11月にリリースされたセカンド・アルバム「THE WILD, THE INNOCENT & THE E STREET SHFFULE」にて批評家からの評価を得て、そしてサード・アルバムである本作にてブルース・スプリングスティーンは一気に知名度を上げることとなります。

この頃のブルース・スプリングスティーンの音楽というのは、いわゆる若者向けのロックン・ロールであり、日本でいえば20歳を迎える前の尾崎豊の作風といったところでしょうか。このアルバムは前作までのプロダクションに不満を持っていたブルース・スプリングスティーンが、その鬱憤を晴らすかのような快心のロックン・ロール・サウンドに仕上げられており、そのエネルギッシュなパワーはアルバム全体を通して感じることができます。オーソドックスなサウンドでありながらブルース・スプリングスティーンの世界がそこにはあり、特にクラレンス・クレモンズのサックスを中心としたホーンの役割が非常に重要になっています。このアルバムでは、2曲目の「TENTH AVENUE FREEZE-OUT(凍てついた十番街)」でランディ・ブレッカーとマイケル・ブレッカーのブレッカー兄弟と当ブログでも紹介したデイヴィッド・サンボーンが参加しホーン・セクションを構成しています。ランディ・ブレッカーは7曲目の「MEETING ACROSS RIVER(川向うでの会見)」にも参加しています。

1曲目の「THUNDER ROAD(涙のサンダーロード)」からその力強さに圧倒されますが、それでいてどこか切なさを感じられる秀逸な楽曲であり、いきなりこのアルバムの世界に引き込まれていくようです。2曲目は「おやっ」と思わせるメロウな立ち上がりからの分厚いホーン・セクションが印象的なナンバー「TENTH AVENUE FREEZE-OUT(凍てついた十番街)」、3曲目の「NIGHT(夜に叫ぶ)」はまさに持て余してしまったパワーを一気に吐き出すようなロック・ナンバーです。4曲目「BACKSTREETS(裏通り)」はほろ苦い青春の1ページを綴ったようなスローなナンバーをブルース・スプリングスティーンが熱く歌いあげます。

アナログ盤ではB面1曲目にあたる5曲目のストレートなロック・ナンバー「BORN TO RUN(明日なき暴走)」は表題曲に値する名曲中の名曲で、ブルース・スプリングスティーンの世界観がそのタイトルからも表れています。6曲目の「SHE'S THE ONE(彼女でなけりゃ)」はクレジットによるとハープシコードとオルガンによるループ・サウンドが印象的な楽曲です。7曲目「MEETING ACROSS RIVER(川向うでの会見)」は控えめではありますがランディ・ブレッカーのトランペットが常にオブリガート的な役割を担っているスローなナンバーで、少しばかりムーディーな雰囲気を醸し出しております。アルバム最後を締めくくる「JUNGLELAND」は9分越の大作でドラマティックな展開を見せるロック・ナンバーです。

全体的に非常にストレートでオーソドックスなサウンドでありながら見事に若さゆえの苦しみや葛藤が歌いあげられて、若者ではない筆者が聴いていてもどこかほろ苦さを感じ若かりし頃を思い出させてくれます。本作はロック・シンガーとしてのブルース・スプリングスティーンの魅力がたっぷり詰まった、まさに名盤中の名盤といえるでしょう。

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THE BAND(ザ・バンド) | ザ・バンド

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THE BANDジャケット今回ご紹介する名盤は1969年にリリースされたザ・バンドの「THE BAND」です。

ザ・バンドは、元々ザ・ホークスという名前でロニー・ホーキンスのバック・バンドとして活躍していたのですが、ロニー・ホーキンスはすでに落ち目であり、経済的にも苦しくなったザ・ホークスは1965年にロニー・ホーキンスの元を離れ、リヴォン&ザ・ホークスと名乗り独自の活動をし、地道にライヴ活動を行っていました。ところが1965年にアコースティックギターの弾き語りによるフォーク路線から、エレキギターを使用したフォーク・ロック路線へと転換を図っていたボブ・ディランの誘いでザ・クラッカーズと名乗り彼のバック・バンドを務めることとなったのです。その頃はボブ・ディランがフォーク・ロック路線に転換した時期であり、それを良しと思わないファンからはブーイングを浴びたのですが、結果としてバンドの知名度は向上したのです。

1968年にはバンド名をザ・バンドとし「MUSIC FROM BIG PINK」でデビュー、ゴールド・ディスクを認定され非常に高い評価を得るのであります。そして1969年には2作目にしてザ・バンドの最高傑作といわれる「THE BAND(ザ・バンド)」をリリース、アルバムはプラチナ・ディスクに認定され、その高い評価を不動のものとするのであります。

アルバム全体的な印象としては、アメリカの様々なルーツ音楽を融合しつつもデビュー作よりもポップな印象があります。アメリカ全土を物理的にも時間的にも縦横無尽に旅をしたかのように、ザ・バンドにとって印象深い南部にとどまらず、ロッキー山脈、カリフォルニア、クリーヴランドなど多岐にわたる地域がテーマとなっております。メンバー5人のうち4人がカナダ人であることが逆に、アメリカの特定の地域に拘らずアメリカ全土に目をいきわたらせたのではないかと思われます。

オープニングの「ACROSS THE GREAT DIVIDE(ロッキーを越えて)」は固めのギター・サウンドが目立ちますが、オルガンやブラス・セクションなど多種多様な楽器を使用した明るい楽曲に仕上げられています。3曲目の「THE NIGHT THEY DROVE OLD DIXIE DOWN(オールド・ディキシー・ダウン)」はこのアルバムの代表曲とも言っていい名曲であります。ジョーン・バエズがカヴァーしたこの楽曲は、スロー・テンポの楽曲でありながら、歌詞の内容から察するに南北戦争をテーマにしているようです。6曲目の「WHISPERING PINES」もゆったりとしたオルガンのバッキングをベースにした美しい楽曲です。9曲目「LOOK OUT CLEVELAND」は珍しくギターの音が歪んでいますが、コード進行やメロディがポップなのが特徴です。ラストを飾る「KING HARVEST(HAS SURELY COME)」はちょっとファンクなテイストがありますが、それでいてザ・バンド特有の泥臭さは失っていないのが魅力です。

それにしてもデビュー2作目の作品のタイトルにバンド名を冠するというのは非常に珍しいです。メンバーも内容に自信を持っていて、もはや自分達は誰のバック・バンドでもなくTHE BANDなんだという、そのような確信に満ちた作品なのではないでしょうか。

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RUBBER SOUL(ラバー・ソウル) | ザ・ビートルズ

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RUBBER SOULジャケット今回ご紹介する名盤は1965年にリリースされたザ・ビートルズの「RUBBER SOUL」です。

このアルバムは、それまでのザ・ビートルズのアイドル的なイメージを払拭しザ・ビートルズの持つ芸術性が評価されるきっかけとなったアルバムでありまして、商業的にも大成功を収めています。音楽的にはボブ・ディランなどのフォーク・ロックの影響がうかがえ、またそれまでロック・バンドが使用することがなかったインド楽器シタールの使用やギリシャ風のギター・ライン、バロック音楽を取り入れるなど、音楽性の幅が非常に広がった作品でもあります。

「NORWEGIAN WOOD(THIS BIRD HAS FLOWN)(ノルウェーの森)」はシタールを初めてポップ・ミュージックで使い「ワールド・ミュージック」と呼ばれる分野の先駆け的存在となっております。また、村上春樹の長編小説「ノルウェイの森」もこの曲のタイトルからつけられているので、曲を知らなくてもこのタイトルは何度も耳にしていると思います。ところがこの曲のタイトルは誤訳なんであります。本来であれば「ノルウェー産の木材」という意味になるらしいです。イギリスではノルウェー産の木材というのは安物の木材を指すことが多く、そのことから内装にノルウェー産の木材使用している部屋の住人はあまり裕福ではないことがうかがえます。この誤訳については邦題をつけた担当者も誤訳について認めているらしく、どうも事実のようです。

実はこのアルバムからシングル・カットされた曲はなく、ほぼ同時に出来上がった「WE CAN WORK IT OUT(恋を抱きしめよう)」「DAY TRIPPER」が両A面という形でシングルとしてリリースされています。この頃からザ・ビートルズはアルバム用のナンバーとシングル用のナンバーは別コンセプトで制作していたような節が見受けられます。「RUBBER SOUL」以降、純粋にオリジナル・アルバムに収録されているナンバーといえば、「REVOLVER」の「YELLOW SUBMARINE」「ELEANOR RIGBY」、「ABBEY ROAD」の「SOMETHING」「COME TOGETHER」位なのではないのでしょうか。「GET BACK」「LET IT BE」はアルバムに収録されているものとは別ミックスなので、かなり印象が違います。

冒頭にも述べさせていたとおり、このアルバム音楽的に大変幅広く作られていてともすれば散漫になりがちですが、なぜか統一感を持った仕上がりになっています。モータウン調の「DRIVE MY CAR」、シタールを取り入れた「NORWEGIAN WOOD(THIS BIRD HAS FLOWN)(ノルウェーの森)」、コーラスとサブドミナント・マイナーが印象的な「NOWHERE MAN(ひとりぼっちのあいつ)」、美しいメロディを複雑なコード進行に乗せて唄う「MICHELLE」、バロック調の感想が特徴的な「IN MY LIFE」など、ザ・ビートルズを語るうえで欠かせない名曲がずらりと並んでいるのであります。「MICHELLE」はシングル・カットされているわけでもないのに1966年度グラミー賞最優秀楽曲賞を獲得しております。

ザ・ビートルズがデビューしてからすでには世紀が経過していますが、その短い活動期間にもかかわらず数々の名作、そして名曲を残してくれました。ザ・ビートルズの作品を聴くたびにその衝撃をリアル・タイムで体験したかったと思ってしまいます。ちなみに私の両親はザ・ビートルズ世代なのですがあまり興味がなかったようです。なんてもったいない。

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HIGHWAY 61 REVISITED(追憶のハイウェイ61) | ボブ・ディラン

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HIGHWAY 61 REVISITED(追憶のハイウェイ61)ジャケット今回ご紹介する名盤は1965年にリリースされた、ボブ・ディランの「HIGHWAY 61 REVISITED(追憶のハイウェイ61)」です。

ボブ・ディランは1965年から1966年にかけて前作の「BRINGING IT ALL BACK HOME」本作「HIGHWAY 61 REVISITED(追憶のハイウェイ61)」次作「BLONDE ON BLONDE」とエレクトリックなロック色の強いアルバムを矢継ぎ早にリリースします。中でも今回紹介する「HIGHWAY 61 REVISITED(追憶のハイウェイ61)」から、キーボードなども取り入れられサウンドの厚みがよりいっそう増しています。フォーク・ソング愛好者からはこの変化はあまり歓迎されず、賛否両論を巻き起こした時期でもありました。

その中にあっても本作「HIGHWAY 61 REVISITED(追憶のハイウェイ61)」は当時商業的にも成功し、またボブ・ディランの長い歴史の中にあっても最高傑作の1枚に数えられています。ローリング・ストーン誌が2003年に選出した「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」(毎度申し上げますが偏りが大いに感じられるランキング)では4位にランキングされ、先行シングルとして発売された「LIKE A ROLLING STONE」は、ボブ・ディラン最大のヒット・シングルとなり、2004年に『ローリング・ストーン誌』が選んだ「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」では1位にランキング、本人もこの曲の創作がキャリアの方向性を変えるものになったと話していたそうです。

このアルバムの魅力は何といっても爆発的ヒットをした「LIKE A ROLLING STONE」が収録されていることにあります。この曲は本当に名曲です。落ちぶれていくものに「気分はどうだい」と問いかける辛辣な歌詞ではありますが、やはりこの社会性を含んだ歌詞などもボブ・ディランの魅力であります。この曲は6分9秒という長い曲なのでありますが、当時3分程度の曲がシングルとしては常識的だった時代において、この評価はかなりのものです。

さてアルバムのタイトルにもなっているハイウェイ61ですが、ミネソタ州のカナダ国境(現在ではワイオミング以北は廃線)からアイオワ州、セントルイス、メンフィス、ニューオーリンズと南下してくる国道です。セントルイス、メンフィス、ニューオーリンズなどの地名はアメリカの音楽ファンの間では非常に馴染みのある都市です。NHLでは「セントルイス・ブルース」NFLでは「ニューオーリンズ・セインツ(ディキシーランド・ジャズの名曲「WHEN THE SAINTS GO MARCHIN' IN(聖者の行進)」のタイトルからセインツと名づけています)」など、プロ・スポーツの世界においても音楽に関連付けられたニックネームを持つチームがあります。そのほかにもキング牧師がメンフィスで暗殺され、そのメンフィスでエルヴィス・プレスリーは多感な時期を過ごし、ロバート・ジョンソン悪魔に魂を売り渡したという「クロスロード」伝説もあり、ブルースで歌われることも多かったハイウェイです。

ザ・ビートルズのジョン・レノンはかなりボブ・ディランに傾倒していて、同年に発売された「RUBBER SOUL」ではボブ・ディランの影響が垣間見えます。また「The BEATLES」に収録されている「YER BLUES」は、本作収録の「BALLAD OF A THIN MAN(やせっぽちのバラッド)」を意識して作られているそうです。ボブ・ディラン偉大すぎです。

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PET SOUNDS(ペット・サウンズ) | ザ・ビーチ・ボーイズ

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PET SOUNDSジャケット今回ご紹介する名盤は1966年にリリースされた、ザ・ビーチ・ボーイズの「PET SOUNDS」です。

それまでのザ・ビーチ・ボーイズといえば、サーフィンや自動車をモチーフとした軽快なサウンドで聴衆に受け入れられ、ウェスト・コースト・サウンドの草分け的存在でした。コーラスには定評があり、音楽的にも後進のミュージシャンに少なからず影響を与えていたことは確かです。ところがそのザ・ビーチ・ボーイズのソング・ライターであったブライアン・ウィルソンがザ・ビートルズの「RUBBER SOUL」を聴いてしまったことが悲劇なのかはたまたラッキーであったのか、結果として今では名盤の声が名高い「PET SOUNDS」の誕生のきっかけになりました。

ブライアン・ウィルソンは「RUBBER SOUL」に対抗すべく、トータル・アルバムの制作のため曲を書き始めます。それまでモチーフにしていたサーフィンや自動車のイメージは鳴りを潜め、ブライアン・ウィルソンの心情を綴ったどちらかというと悲壮感すら漂う、それはそれは今までのザ・ビーチ・ボーイズのサウンドとはかけ離れたものに仕上がったのであります。当時のアメリカではこの作品は受け入れられませんでした。ザ・ビートルズに対抗できる名曲の数々が並んでいるように感じますが、当時のアメリカのリスナーってそんなに保守的だったのでしょうか。ラスト・ナンバーの「CAROLINE NO」なんかは本当に名曲中の名曲、悲しすぎるがゆえに美しすぎる青春の1ページです。

レコード会社も本作の内容からリリースに消極的で、あまり売り上げが芳しくない状況に業を煮やし(それでも50万枚を売り上げ全米10位にチャート・イン)、「ベスト・オブ・ザ・ビーチボーイズ」なるベスト盤を発売、これが瞬く間に100万を売り上げ、オリジナル・アルバムの「PET SOUNDS」よりもヒットしてしまいました。ブライアン・ウィルソンはこのことが相当ショックだったらしく、「PET SOUNDS」以上の作品を仕上げなければというプレッシャーからか、次作となる予定であった「スマイル」(リリースはキャンセルされてしまいました)のレコーディング中にノイローゼを患い、その後もドラッグとアルコールに依存するようになってしまったそうです。一方イギリスでは本国とはまた異なった評価を受け、初登場2位にチャート・イン。ポール・マッカートニー、ピート・タウンゼント、エリック・クラプトンなどの大御所がこぞってこのアルバムを絶賛したとウィキペディアに解説されております。

今でこそローリング・ストーン誌が2003年に選出した「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」(毎度申し上げますが偏りが大いに感じられるランキング)でも「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」に次ぐ2位にランキングされるほど大名盤として認知されているこの「PET SOUNDS」ではありますが、このアルバムが評価されるまで相当の時間を費やしたらしいです。時に音楽や芸術全般に対する評価とは残酷なものです。こういった背景がさらにこのアルバム印象を悲しくほろ苦いものにしてしますのでしょうか。

ところでザ・ビーチ・ボーイズってまだ現役なんですね。てっきりもうないものかと…。名盤を残しながらも若くして命を落とすミュージシャンが多かったかつてのご時勢、その当時駄作のレッテルを貼られても、いつのまにか歴史的名盤として評価が覆ることがあるのですから長生きはしてみるものです。

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REVOLVER(リボルバー) | ザ・ビートルズ

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REVOLVERジャケット今回ご紹介する名盤は1966年にリリースされた、ザ・ビートルズの「REVOLVER」です。

サイケデリックな印象のあるこのアルバムは、ザ・ビートルズの過渡期に制作されたアルバムであり、本作をリリースしてまもなく一切のコンサート活動を中止してしまうのであります。これは当時の技術では、ザ・ビートルズの楽曲をライブで演奏することが困難になってしまったことに起因すると思われますが、ライブよりレコーディングを優先する作品作りに傾倒していく様がこの作品の内容からも伺えます。

このアルバムの最大の特徴としてADT(Artificial Double Tracking - 同じ音源を別トラックに録音し微妙にずらして重ねる技術)を初めて導入したことに挙げられます。まずこの技術を導入したという点だけをとってみても、ロック史において非常に重要な作品であるといえます。その他テープを逆に再生させた音を取りいれるなど実験的な音作りが凝らされています。

ポール・マッカートニー作が7曲、ジョン・レノン作が5曲、ジョージ・ハリスン作3曲というライン・アップでポール・マッカートニー作7曲のうち、1曲をリンゴ・スターがリード・ヴォーカルを取っていることから考えると非常にバランスが取れていて、このころはまだポール・マッカートニーの強烈なリーダー・シップは発揮されいなかったのでは推測されます。また、オープニングもジョージ・ハリスン作の「TAXMAN」で後にも先にもジョージ・ハリスンの楽曲がオープニングを飾るのはザ・ビートルズではこのアルバムのみであります。

まずはオープニング「TAXMAN」。ジョージ・ハリスンがお金稼いでも税金でみんな持っていかれてしまうことから書いた曲です。リード・ギターのジョージ・ハリスンの曲ながら、なぜかポール・マッカートニーがギター・ソロを弾いており、しかもそのギター・ソロを「インド風で満足している」と評しているジョージ・ハリスンの人のよさまでにじみ出る名曲です。ザ・ジャムにこれに似た曲がありました。ジョージ・ハリスンはこのころよりインド音楽に傾倒しはじめ、その影響が4曲目「LOVE YOU TO」に表れています。ポール・マッカートニーの楽曲は「ELEANOR RIGBY」や「HERE, THERE AND EVERYWHERE」に代表されるように全体的にメロディ・メーカーとしての実力を発揮しています。ジョン・レノンの楽曲は、「I'M ONLY SLEEPING」や「TOMORROW NEVER KNOWS」などで音作りに凝ったサイケデリックな作品を披露してくれます。それぞれの個性が発揮されていますが、通称ホワイト・アルバム「The BEATLES」のような散漫な印象はありません。きっとこのころはメンバー間の仲はよろしかったのでしょう。アルバムというのはそんな雰囲気まで伝えてくれるから不思議です。

4作目となったザ・ビートルズのレビューですが、もう1作名作として名高い「RUBBER SOUL」のレビューもいずれやらせていただきたいと思います。

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BOSTON(幻想飛行) | ボストン

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BOSTON(幻想飛行)ジャケット今回ご紹介する名盤は1976年にリリースされた、ボストンの「BOSTON(幻想飛行)」です。

全世界で2000万枚売り上げたといわれるボストンのデビューアルバムである本作を初めて聴いたときの第一印象は、とにかくそのサウンドが分厚いというものでした。ギターといい、ボーカルといい何回重ねてるんだろうと考えさせられていまうほどの重厚なサウンドです。それでいてメロディアスでポップな要素もあり、ハードなギター・サウンドがメインながらアコギの出番も多く、耳に馴染みやすい仕上がりとなっております。もしイカ天にでも出場した日には、審査員の吉田健に怒られそうなくらい爽やかなハード・ロックです。

そもそもボストンというのはバンドという形態をとっていますが、元々はブラッド・デルプのボーカル以外のほとんどがトム・ショルツの演奏によるものでバンド・メンバーはプロモーション・ツアーなどのライブのためにオーディションで集められたそうです。その他にも作詞、作曲、編曲、レコーディング・エンジニアまでもこのトム・ショルツという人はこなしてしまうらしく、実質的にはトム・ショルツ個人のプロジェクトに果てしなく近いそうです。それでも実際に発売されている音源はメンバーも演奏しており(クレジットを信用するならば)、妙にサスティンの効いたギター・ソロはバリー・グドローによるものらしいです。まぁサウンドの性格からライブで聴くより、家でお気に入りのオーディオで聴く方が楽しめるのではないかと個人的には思っております。

このボストンというバンド、アルバムをリリースするインターバルが長いことで有名ですが、2年後に「DON'T LOOK BACK」を発表して以来、その後は8年に1枚のペースでリリース、1994年の「WALK ON」を最後にオリジナル・アルバムが発売されていません。なんでも売れすぎちゃったことで、レコード会社やメンバーとのトラブルによるものとか…。お亡くなりになってしまったボーカルのブラッド・デルプはやむを得ないとして、4枚しかアルバムをリリースしてないわりには、メンバーの出入りが激しいように思います。

売れすぎて揉めるなんていう状況は羨ましい限りですが、2000万枚売り上げるとすべての曲の作詞、作曲を手掛け、プロデューサーにまで名を連ねているトム・ショルツには幾らくらいのお金が転がり込んでくるのでしょうか。

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