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AQUALUNG(アクアラング) | ジェスロ・タル

ニャン田(にゃんだ)ヒロシの迷言集

AQUALUNGジャケット今回ご紹介する名盤は1971年にリリースされたジェスロ・タルの「AQUALUNG」です。

まったくといっていいほど日本では無名のジェスロ・タルでございますが、彼らはイギリス出身のプログレッシヴ・ロックにカテゴライズされているバンドで、1968年にアルバム「THIS WAS(日曜日の印象)」のデビューし、いきなりの全英10位にチャートイン、そしてその年の「メロディ・メーカー」誌の人気投票で、ビートルズに次ぐ第2位を獲得してしまうほど本国イギリスでは著名なバンドなのであります。そのバンドの最高傑作といわれる作品が本作「AQUALUNG」であります。

ジェスロ・タルの4作目にあたる本作でありますが、一般的にプログレッシヴ・ロックにカテゴライズされていながらも、ヘヴィ・メタル的なアプローチや時にブルースの匂いやジャズの香りを感じさせ、またアコースティックを前面に押し出したブリティッシュなフォーク・サウンドもちりばめられていたりと、様々な土台を持つ聴き応えのあるかっこいい作品なのであります。また、イアン・アンダーソンが奏でるフルートが実に攻撃的で、このフルートの音色もジェスロ・タルのサウンドには欠かせないものとなっております。

重厚感のあるリフからスタートする1曲目で表題曲の「AQUALUNG」はこのアルバムはおろかジェスロ・タルを代表する名曲です。リフからピアノをバックにしたスローな雰囲気に展開、テンポ・アップを経てギター・ソロとつながり、アコースティック・ギターをバックに再びスロー・テンポになったかと思えば最後はスタート部分のリフに戻りこの楽曲は締めくくられます。2曲目の「CROSS-EYED MARY」はいきなりのフルート・サウンドが印象的な、イントロから否が応でも緊張感を高めてくれるロック・ナンバーです。。3曲目の「CHEAP DAY RETURN(失意の日は繰り返す)」はアコースティック・ナンバーで、ブリティッシュ・フォーク的に仕上げられています。4曲目の「MOTHER GOOSE」もアコースティックなナンバーですがこちらはより牧歌的な雰囲気に繰り上げられています。5曲目の「WOND'RING ALOUD(驚嘆)」もアコースティックなナンバーでこのあたりにコンセプティブなものを感じます。6曲目の「UP TO ME」もアコースティックなナンバーですが、よりリズミカルな楽曲です。

7曲目の「MY GOD」はこのアルバムの中ではもっとも長い作品で7分越えの楽曲です。アコースティック・ギターによるイントロからスローな雰囲気で楽曲はスタートします。途中からエレキ・ギターやドラムスが加わり重厚感が増していきます。非常に攻撃的なフルートによるソロも聴きものです。8曲目「HYMN 43(賛美歌43番)」はストレートなロック・ナンバーですがやはりフルートの音色にジェスロ・タルを感じさせます。9曲目「SLIPSTREAM(後流)」は非常に短いアコースティックなナンバーです。10曲目の「LOCOMOTIVE BREATH(蒸気機関車の喘ぎ)」はジャジーなピアノによるイントロから始まりますが、歌が入るとともに重厚なロック・サウンドへと変化します。11曲目の「WIND UP」はバラードからロック・サウンドへと展開しますが、エンディングはバラードへと戻りこのアルバムは締めくくられます。

ジェスロ・タルは日本ではあまり聞きなれないバンドであり、プログレッシヴ・ロックにカテゴライズされていますが、様々な音楽がベースにあり、どのカテゴリーにも当てはまらない世界感があります。それでいてアルバム全体のサウンドに安定感があり、どこか安心して聴けてしまうのも特徴です。ロックはブリティッシュという方には一度耳にしていただきたい作品です。

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ニャン田(にゃんだ)ヒロシの迷言集

PSYCHE(サイケ) | CHAR

ニャン田(にゃんだ)ヒロシの迷言集

PSYCHEジャケット今回ご紹介する名盤は1988年にリリースされたCHARの「PSYCHE」です。

CHARといえば歳がばれますが筆者が中学生時分に「気絶するほど悩ましい」や「逆光線」「闘牛士」などの歌謡ROCK路線でメディアをにぎわせていたのでありますが、どこからか「CHARって本当はギターが上手いらしいよ」という噂が流れてきたものでした。その後一年ほどすると別冊YOUNG GUITARか何かだったと思うのですが、その後CHARの前期の代表曲となる「SMOKY」のギター譜が並み居るロック・ギターの名曲とともに掲載されておりまして、世のギター小僧の憧れとなっていくのであります。

本作はCHARが立ち上げたインディーズ・レーベル「江戸屋Record」にて初めてリリースされたアルバムでありまして、今でこそ販売店にて手に入りますが、当時の「江戸屋Record」は電話通販専門のレーベルであったため、どのようにして購入したらいいのかわからなかった記憶があります。個人で立ち上げたレーベルでしかもクレジットには「PRODUCE AND PERFORMED BY CHAR」とあり、ある意味CHARが何の束縛も受けずやりたいようにやった結果の1枚であり、そのためか今までメインの活動の場としていたJOHNNY, LOUIS & CHARやPINK CLOUDとは一線を画したサウンドとなっております。

ドラムスは9曲目の「ALL AROUND ME」(ドラムスそのものが入っていない)と10曲目の「ENDLESS DREAM」(CHARが叩いていると思われます)以外は、打ち込みっぽく、今聴くと1980年代のサウンドといった感が否めないのですが、その分それまで聴くことのできなった軽やかで爽快なCHARの世界は耳に馴染みやすく、「DAYS WENT BY」や「ALL AROUND ME」などのCHARの中期を代表するナンバーが収録されているなど、粒揃い名曲揃いであることに気付かされます。

特筆すべきナンバーはまず1曲目の「F.U.C.Q.」です。時報の音から始まるインストゥルメンタルのナンバーはいきなりシンセサイザー・サウンドが全開で、新しいCHARの世界の幕開けを感じさせてくれます。リード・ギターとバッキング・ギターの絡みも抜群です。2曲目の「XQZ ME」はチャカポコーンとかっこいいギターの響きから始まり、ホーン・セクション調のシンセサイザーが印象的な非常に軽快なナンバーです。8曲目の「DAYS WENT BY」は一転して哀愁のあるナンバーですが、個人的にもお気に入りの名曲であります。楽曲があまり長くなく聴き足りなさすら覚えてしまうほどです。そして9曲目の「ALL AROUND ME」はバッキングがギターのみの名曲でしばらくの間、ライヴではよく演奏されていたそうです。最後の曲「ENDLESS DREAM」ではドラムスとスラップ・ベースなども披露しています。

あまりマス・メディアに登場しないイメージのあるCHARですが、CSでは「Char meets ???? ~TALKING GUITARS~」なる冠番組があり、その他にもNHKでは「チャレンジ!ホビー めざせ!ロック・ギタリスト」にもちょこっと顔を出していたり、そういえば一時期「さんまのSUPERからくりTV」にも出ていましたね。地味ながら時折テレビにも登場しているようです。

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UNKNOWN PLEASURES(アンノウン・プレジャーズ) | ジョイ・ディヴィジョン

ニャン田(にゃんだ)ヒロシの迷言集

UNKNOWN PLEASURESジャケット今回ご紹介する名盤は1979年にリリースされたジョイ・ディヴィジョンの「UNKNOWN PLEASURES」です。

日本ではあまり馴染みのないバンドかもしれないジョイ・ディヴィジョンではありますが、ニュー・オーダーの前進のバンドであったいえば、なんとなく理解していただけるのではないかと思います。活動期間が短く、アルバムも2枚しかリリースしていません。これはヴォーカリストであるイアン・カーティスの自殺によるもので、残りのメンバーは「メンバーが一人でも欠けたらジョイ・ディヴィジョンの名前でバンド活動は行わない」という約束に基づきニュー・オーダーの名前で活動を継続します。アルバムも評論家からの評価は高かったものの商業的には成功を収めたといえるものではありませんでした。

いわゆるポスト・パンクにカテゴライズされるジョイ・ディヴィジョンでありますが、セックス・ピストルズに衝撃を受けたギター、キーボード担当のバーナード・アルブレヒトとベース担当のピーター・フックを中心に結成されたバンドであったため、結成当初はパンク・ロックの影響が色濃く、演奏はかなり荒削りであったらしいのですが、プロデューサーのマーティン・ハネットにより緊張感と陰鬱さを併せ持つポスト・パンクのサウンドを構築、現在ではポスト・パンクを代表する名盤として語り継がれています。

1曲目の「DISORDER」は軽快なドラム・ワークとベースのリフにコード感のないギターの絡みから構成されたナンバーです。2曲目の「DAY OF THE LORDS」は筆者のツボともいえる雰囲気の楽曲で、イギリスのロック特有の暗さというか肌寒さというか、そんなもの感じさせてくれます。イアン・カーティスのヘタウマなヴォーカルも彼の持つカリスマ性を存分に放っています。3曲目の「CANDIDATE」もベースがリフの役割を演じ、ギターは曲全体の緊張感を醸し出すためか、全くコード感のない演奏になっています。4曲目の「INSIGHT」もこのアルバムが持つ陰鬱さが感じられます。基本的にベースが前面に出るというジョイ・ディヴィジョンが踏襲されています。5曲目の「NEW DAWN FADES」は珍しくギターが前に出た作りの楽曲となっています。

6曲目の「SHE'S LOST CONTROL」はハイ・トーンのベースのリフが前に出たナンバーなのですが、珍しく途中からコード・ワークのギターが絡んできます。このコード進行が意表を突いていて実にかっこいいナンバーに仕上がっています。7曲目「SHADOWPLAY」はこちらも珍しくギターが前面に出たナンバーで、なかなかかっこいいロック・サウンドに仕上がっています。8曲目「WILDERNESS」は1つのパターンを延々と奏でるシンプルなロックです。9曲目は「INTERZONE」はなかなかパンキッシュなナンバーで、ジョイ・ディヴィジョンの原点を感じさせてくれます。6曲目以降ギターが割と前に出てくるのですがLPリリース時のコンセプトなのでしょうか。10曲目の「I REMEMBER NOTHING」はスローでありながらスケールの大きさを感じさせてくれるナンバーです。

全体的に楽曲そのものに起伏がなくハーモニーといった音楽的要素が希薄な作品であるため、ポップスなどを好んで聴いているリスナーの方には、入りづらいアルバムではありますが、その独特の世界観が故、一度はまってしまうと抜け出せなくなるような、そんな緊張感とイアン・カーティスのカリスマ性が感じられます。

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BREEZIN'(ブリージン) | ジョージ・ベンソン

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BREEZIN'ジャケット今回ご紹介する名盤は1976年にリリースされたジョージ・ベンソンの「BREEZIN'」です。

ジョージ・ベンソンという人は驚くことに3歳の頃からプロのギタリストを目指していたということなのですが、3歳の時分に将来の自分の姿なんて普通は考えられないですよね。親からみても自分の子どもの3歳の頃なんて、この子は将来どうなるやらなんて感じで子どもの将来なんて皆目見当が付かないのが正直なところであります。それにしてもジョージ・ベンソンが3歳の頃に子ども用のギターなるものなんてあったのでしょうか。それにしても幼少の頃からの志には驚いてしまいます。

ジョージ・ベンソンは1960年代までは、ウェス・モンゴメリーばりのジャズ・ギタリストだったのですが、1970年代からフュージョン系にアーティストに転身、そのフュージョン系の時代を代表する作品が本作「BREEZIN'」なのであります。本作「BREEZIN'」はなんと驚くことにビルボード・チャートのPOP、R&B、ジャズの各部門で同時1位に輝くという偉業を成し遂げるほか、グラミー賞においてもシングル・カットされた「THIS MASQUERADE(マスカレード)」はレコード・オブ・ザ・イヤーを、アルバムがベスト・ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンスを受賞するなど、1970年代のフュージョン・シーンを代表する名盤中の名盤なのです。

1曲目の表題曲「BREEZIN'」はそのタイトルの通り夏空にそよ風に吹かれるような爽やかさが滲み出ている曲です。テレビのBGMなどにも使われていたりすることもあるので、ご存知の方も多いかもしれません。2曲目はカーペンターズもカヴァーしたレオン・ラッセルの名曲「THIS MASQUERADE(マスカレード)」をカヴァーしたものです。ギターだけではなく見事な歌声も披露、特にギターとユニゾンで繰り出されるスキャットはギタリストのノーマン・ブラウンやベーシストのネーザン・イーストにも影響を与えています。3曲目の「SIX TO FOUR」はタイトルもそこから付けられていると思うのですが6拍子という変拍子の楽曲を違和感なく聴かせてくれます。

LPではB面1曲目に当たる4曲目の「AFFIRMATION(私の主張)」は非常にキャッチーなテーマが印象深い、これぞフュージョンというナンバーです。バックのストリングスが軽快さ醸し出しておりますが、この曲のギター・ソロはすさまじい物があります。5曲目「SO THIS IS LOVE?(これが愛なの?)」はバックのストリングスが裏メロ的な効果を出しているのですが、4曲目の「AFFIRMATION(私の主張)」とはまた違う趣で多少緊張感のある楽曲に仕上げられています。6曲目「LADY(愛するレディ)」は非常に落ち着いたナンバーながらも、広大さを感じる耳に馴染みやすい楽曲となっております。

その昔、父親がジョージ・ベンソンのアルバム(LP)を持っていて、「これちょうだい」とお願いしてみたところあっさりと「いいよ」という返事が返ってきたので、その時はあーきっと何かの手違いでコレクションに入っていたのだろうと思ったりしたものです。なんとジャズ期のジョージ・ベンソンの作品で、父親がジャズを聴いている姿など見たこともないので、きっとその推理は間違いでなかった思われます。

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SWEETHEART OF THE RODEO(ロデオの恋人) | ザ・バーズ

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SWEETHEART OF THE RODEO(ロデオの恋人)ジャケット今回ご紹介する名盤は1968年にリリースされたザ・バーズの「SWEETHEART OF THE RODEO(ロデオの恋人)」です。

カントリーとロックを融合させたといわれる本作「SWEETHEART OF THE RODEO(ロデオの恋人)」は、それまではサイケデリックな作風を得意としていたザ・バーズの作品群の中にあっては、かなり異色な作品であります。ザ・バーズの歴史の中にあって唯一このアルバムだけに参加したグラム・パーソンズの影響がかなり強かったのだと思われます。世界初のサイケデリック・ロックといわれる1966年リリースの「EIGHT MILES HIGH」は、当ブログでも紹介しているザ・ビートルズの「REVOLVER」にも影響を与えていたなどという話はこのアルバムからは想像もつきません。

今ではいわずと知れたカントリー・ロックの扉を開いた大名盤としてこのアルバムは君臨しているのですが、当時の一部のファンからは「庇を貸して母屋を乗っ取られた情けないアルバム」との認識もあったようです。得てしてアーティストの作風に変化が見られたときには、それを快く思わないファンもいるようでボブ・ディランがフォーク・ロック路線に舵を取ったときにもそういう風潮はあったようです。カントリー・ロックの幕開けと評される本作でありますが、かなり本格的なカントリー・ミュージックの印象が強くその傾向はより顕著であったかもしれません。

1曲目の「YOU AIN'T GOING NOWHERE(ゴーイング・ノーホエア)」はボブ・ディランのカヴァー曲であり、このアルバムの楽曲の中にあってはロック色の強い仕上がりです。2曲目の「I AM A PILGRIM(私は巡礼者)」はバンジョーとヴァイオリンの印象が強いカントリー・ミュージック色が強くなっています。3曲目の「THE CHRISTIAN LIFE」は3拍子のカントリー・ミュージックでルーヴィン・ブラザーズのヒット曲のカヴァーです。4曲目の「YOU DON'T MISS YOUR WATER(涙の涸れるまで)」はこちらも3拍子のカントリー・ミュージックが基調なのですが、ピアノがブルース色を醸し出しています。5曲目の「YOU'RE STILL ON MY MIND(思い焦がれて)」も4曲目と同様の手法でカントリー・ロック的に仕上げられたナンバーです。6曲目の「PRETTY BOY FLOYD」はかなりカントリー色の強い楽曲仕上げられています。

LPではB面1曲目に当たる7曲目の「HICKORY WIND」は3拍子のカントリー・ミュージックでかなりグラム・パーソンズ色の強い作品です。8曲目「One Hundred Years From Now(100年後の世界)」はグラム・パーソンズの曲なのですが見事にロックとカントリーを融合させたナンバーに仕上がっております。9曲目「BLUE CANADIAN ROCKIES」は3拍子のナンバーですが、他の3拍子のナンバーに比較してカントリー色は薄いように感じられます。10曲目「LIFE IN PRISON(監獄暮らし)」は日本ではあまり馴染みがないかもしれませんがマール・ハガートのカヴァー曲です。11曲目の「NOTHING WAS DELIVERED(何も送ってこない)」は1曲目同様ボブ・ディランのカヴァー曲でこちらもロック色の強いナンバーに仕上げられています。

若かりし頃であれば聴かなかったジャンルであるかもしれませんが、某テーマパークの熊がカントリーを演奏するアトラクションで耳が慣らされたのか、現在では心地よく耳に響く愛聴盤の1枚になっています。

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